なぁ、ジェイド。 なんですか。 前にさ、死が理解できないって言ってたじゃん? 言いましたね。 あれって今もそう? 以前よりはわかった気がしますよ。でも、たぶんまだ根本的なところでは理解できていないんでしょうね。 そっかぁ。悲しいな。 そうですね。 じゃあさ、ジェイドは俺のこと愛してる? なんですか、いきなり。 いいじゃん別に。ほら、答えろよー。あいしてますかー? しかたがないですねぇ。愛してますよ。誰よりも何よりも。貴方を愛しています。 えへへ、自分で聞いといてちょっと照れるな。 それで貴方は私にだけ言わせておいて自分は言わないつもりですか? うん?もちろん俺もジェイドのことあいしてるよー。めちゃらぶーですよ。 それで一体なんなんですか? だからさ、ジェイドが俺のこと愛してくれているんだったらさ。いつか俺がジェイドに死を教えてあげるよ。 死ぬなんて不吉なこと言うもんじゃありませんよ。 不吉って…。まあ、確かに不吉かもだけど、人間だれしもいつか死ぬものだろ♪ まあ、確かにそうですけどね。それでどうして私が貴方を愛しているのと死を理解することが関係あるんですか。 あのさ、ジェイドは俺のこと好きだから、俺が死んだら悲しんでくれるだろ?それってつまり死を理解したってことじゃないか。 悲しまないかもしれませんよ? ひっで〜!!そこは嘘でもあなたを失ったら私は一生泣き暮らすしかありません、とかなんとか言うところだろー!! おや、貴方は私に泣き暮らして欲しいんですか? 泣き暮らすジェイド。……うげ、ジェイドがなくとこなんか想像できね〜!!キモイ!! まったく、ひどいのはどっちですか。だいたい私のほうが先に死ぬかもしれないでしょうが。 いや、ジェイドが俺より先に死ぬなんてありえないよ。 そうですか?普通に考えて軍人である以上、私のほうが死亡率は高いですし、年齢的に見ても私のほうが先でしょう。 う〜ん。軍人なあたりは死霊使い殿なら平気そうだし、憎まれっ子世にはばかるっていうからなー。その点、俺は美人薄命ていうか男前だから♪ 男前ってどの顔のことですかー?ほらほら。 いひゃ!いひゃいって、じぇいど!!ひょっぺひっぱるなー!! おや、赤くなってしまいましたね。一体だれがこんなひどいことを。 お前に決まってんだろ!陰険眼鏡―!! それで、どうしてこんな話をしたんです? い・いきなり真顔になるなよ。びっくりするだろ。 はいはい、それで? 別に。ただジェイドが俺が死んだときに泣いてくれたらいいなって思っただけ!! 泣きますよ。 へ? 貴方が死んだらきっと泣きます。だから、いなくならないでくださいね。 …うん、ありがと。でもずっとは泣くなよ。すこし泣いて、そしたら笑って幸せになって。 ? ただのたとえ話でしょう。そんな暗い顔してなにかあるんですか? ないよ。なにもない。……とお! なんですか。いきなり抱きついてきたら危ないでしょう。 へへ、ジェイドー。あいしてるよー はいはい、私も愛してますよ (本当に愛してるよ。ジェイド。それでも俺がジェイドと一緒に生きるなんてありえない。 だから、せめてジェイドに死を教えてあげる) |